営業所専任技術者の現場兼務ルール|1億円特例と監理技術者補佐の要件を徹底解説

営業所専任技術者の現場兼務ルール|1億円特例と監理技術者補佐の要件を徹底解説

令和8年最新の建設業法第26条の3に基づく「技術者の兼務ルール」を徹底解説。営業所専任技術者が現場を持てる1億円未満の特例要件から、監理技術者補佐を置く2現場兼務の条件まで網羅。複雑な下請次数やICT活用の要件も分かりやすく整理しています。

監理技術者・主任技術者の兼務要件まとめ|専任技術者の現場兼任と技士補の活用

「営業所の専任技術者は、現場に出せないはずでは?」


「監理技術者が2つの現場を掛け持ちするための具体的な条件は?」


慢性的な技術者不足に悩む建設業界において、技術者の『兼務』は現場を回すための生命線です。しかし、ルールを誤ると『名義貸し』や『不適切配置』として重い行政処分の対象になります。


本記事では、複雑な兼務・兼任のルールと、令和5年施行の改正法に基づく最新の緩和要件(1億円特例など)を、根拠条文とともにどこよりも詳しく解説します。



営業所技術者等の主任技術者・監理技術者の兼任ルール


令和8年(2026年)現在、技術者不足への対策として「兼任」の要件は大幅に緩和されています。しかし、営業所専任技術者(以下、営業所技術者)は、原則として営業所に常駐し、見積、入札、契約締結等の技術的サポートを行うことが職務です。


そのため、原則として営業所技術者は主任技術者・監理技術者の兼務を行うことが出来ません。


【例外として兼任が可能となるケース】
以下の条件をすべて満たす場合に限り、営業所技術者も現場の技術者を兼ねることができます。

  • 非専任工事であること: 請負金額が4,500万円未満(建築一式 9,000万円未満)
  • 金額特例: 請負金額が1億円未満(建築一式 2億円未満)の工事
  • 距離の要件: 営業所と工事現場が近接している、または密接な連絡がとれる場合


主任技術者・監理技術者の詳しい記事はこちらをチェック!



営業所専任技術者の現場兼務(法第26条の3)の要件


建設業法第26条の3の規定により、本来は営業所に常駐しなければならない「営業所専任技術者」であっても、以下の要件をすべて満たす場合に限り、現場の主任技術者や監理技術者を兼務することが認められています。令和8年現在の最新基準に基づき整理しました。


要件項目 建設業法 第26条の3の規定 実務上の詳細要件(施行令・施行規則)
①契約締結場所 第1項第1号:当該営業所において締結した請負契約に係る建設工事であること。 技術者が所属している営業所そのもので契約された工事に限られます。
②請負金額 第1項第2号:請負代金の額が政令で定める金額未満となるものであること。

1億円未満(建築一式工事は2億円未満)であること。
※工事途中で増額し1億円以上になった場合は、即座に専任配置への切り替えが必要です。

③業務・施工体制 第1項第3号:移動時間、連絡方法その他の業務体制・施工体制が省令要件に適合すること。

現場間距離:事故等の際に概ね2時間以内に移動できること。
連絡員の配置:各現場に連絡員を配置すること(一式工事は実務経験1年以上)。


④ICT活用の措置 第1項第4号:職務をICTを利用する方法により行うため必要な措置が講じられていること。

施工体制確認:CCUS等により遠隔で作業員の入退場を確認できること。
現場状況確認:スマホやWebカメラ等で映像・音声の送受信が可能であること。


⑤兼務現場数 第2項:政令で定める数を超えないこと。 兼務できる現場数は「2つまで」です。
⑥資格・講習 第3項・第4項:特定営業所技術者が監理技術者を兼ねる場合の要件。

監理技術者資格者証の交付を受けていること。
監理技術者講習を受講済みであること(提示義務あり)。


⑦計画書の作成 施行規則 第17条の2第5号:人員配置計画書の作成・保存。 名称、所在地、技術者名、労働時間の実績、移動時間、下請次数(3次以内)、ICT措置の内容等を記載した計画書を現場に備え置き、営業所で保存すること。


法令解釈からのアドバイス

この「営業所技術者の兼務特例」は、あくまで法第26条の3に基づく例外措置です。
特に「下請次数が3次以内(4次以降は不可)」というルールや「移動時間2時間以内」という基準は、
巡回指導等でも厳しくチェックされます。事前のシミュレーションが不可欠です。


併せて読みたい配置技術者の専任期間とは


主任技術者・監理技術者の現場兼務(例外規定)


原則、公共性のある重要な工事(4,500万以上/一式9,000万以上)は専任ですが、以下の例外があります。


【主任技術者の兼務例外】

  • ① ICTを活用した現場管理(専任特例第1号)
  • 密接な関係のある2つ以上の建設工事(場所が10km以内)
  • ③ 同一建築物や連続する工作物に関する複数の請負契約

※相互に調整を要する工事(資材の一括調達や同一下請による施工)などが該当します。事前承諾の書面が必要です。


【監理技術者の兼務例外】

  • ① ICTを活用した現場管理(専任特例第1号)
  • 監理技術者補佐を専任で置く(専任特例第2号)
  • ③ 連続性のある工作物の複数契約

監理技術者補佐を置くことで、監理技術者は2現場まで兼務が可能です。監理技術者補佐を置く対象は、本来専任が必要な工事(4,500万以上/一式9,000万以上)です。


国土交通省 監理技術者ガイドラインはこちらを確認



監理技術者補佐の要件(法第26条関連)

補佐として認められるためには、以下の要件をすべて満たし、専任で配置する必要があります。


  1. 資格要件: 1級施工管理技士補 または 主任技術者/監理技術者の資格者
  2. 雇用関係: 受注者と3か月以上の直接的かつ恒常的な雇用関係(派遣・短期は不可)
  3. 体制: 特例監理技術者と常に連絡がとれる体制であること
  4. 業務の明確化: 担うべき業務内容が明らかにされていること


まとめ:令和8年最新の兼任ルール

営業所技術者の兼任や監理技術者補佐の活用は、人手不足解消の切り札ですが、施行令・施行規則に定められた「8つの要件」を一つでも欠かせば、業法違反となりえます。
建設業法に基づく複雑な人員配置、配置技術者の兼務判断は、専門家にお任せください。



留意事項

当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や行政書士等の専門家へご確認ください。