建設業許可取得要件

建設業許可取得要件

建設業許可を取得するのにも
許可要件が存在します。
この記事では許可要件を解説しています。

建設業取得の為の要件

建設業許可を取得したいと思っているが、「取得要件が複雑で分からない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
建設業許可を取得するためには、大きく分けて5つの要件をすべて満たす必要があります。


この記事では、建設特化の行政書士を目指す私が、実務で重要となる詳細な基準まで徹底的に解説していきます。



① 適正な経営体制(経営業務管理責任者など)


経営業務の管理を適正に行う体制とは、社会保険への加入、および建設業の経営業務につき一定期間の経験を有した者が最低1人は必要になってきます。


建設業の経営に関する一定の経験を有する者のことを経営業務の管理責任者(経管)と呼びます。
※経営業務の管理責任者の詳細についてはこちらの記事をご参照ください。
経営業務の管理責任者とは


社会保険の加入状況
現在、建設業許可の取得には社会保険への加入が必須です。事業形態によって義務の範囲が異なりますので、国土交通省「社会保険加入に関する下請指導ガイドライン」に基づき解説します。


事業形態 常用労働者数 就労形態 雇用保険 医療保険(いずれか加入) 年金保険 『適切な保険』の範囲
法人 1人~ 常用労働者 雇用保険※2 ・協会けんぽ・健康保険組合・建設国保等※1 厚生年金 3保険
役員等 ・協会けんぽ・健康保険組合・建設国保等※1 厚生年金 医療・年金
個人事業主 5人~ 常用労働者 雇用保険※2 ・協会けんぽ・健康保険組合・建設国保等※1 厚生年金 3保険
1人~4人 常用労働者 雇用保険※2 ・国民健康保険・建設国保等 国民年金 雇用のみ(医療・年金は個人)
事業主/一人親方 ・国民健康保険・建設国保等 国民年金 個人加入※3

※1 年金事務所で健康保険の適用除外承認を受けた場合。 ※2 週所定労働時間20時間以上等の場合。 ※3 一人親方としての働き方に限る。


事業主が従業員に加入させる義務があるもの
個人の責任において加入するもの


個人事業主で常用労働者が5人以上、または法人で役員・従業員が1人以上の場合は、健康保険・厚生年金・雇用保険に加入していないと建設業許可を取得できません。


② 専任技術者の配置(専技)


専任技術者とは、全ての営業所ごとに専任で配置しなければならない、一定の資格又は経験を有する技術者のことです。


専任技術者の要件(一般・特定)
一般建設業許可と特定建設業許可で、必要となる資格や実務経験が異なります。


一般建設業許可 特定建設業許可
根拠 建設業法7条2号(イ・ロ・ハ) 建設業法15条2号

指定学科卒業+実務経験



高校卒業:5年以上 / 大学卒業:3年以上




技士補+実務経験



1級1次合格:3年以上 / 2級1次合格:5年以上

一定の国家資格(1級)



1級土木・建築・電気・管・造園施工管理技士等

10年以上の実務経験

指導監督的実務経験



一般の要件 + 元請として4,500万円以上の工事につき2年以上の指導監督経験



※指定建設業を除く

2級施工管理技士等



国家資格合格者

実務経験不要 大臣認定

※指定建設業(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)で特定許可を受けるには、原則として1級資格等(イ又はハ)が必要です。


③ 不正又は不誠実な行為


請負契約において、以下の行為を行う恐れがないことが求められます。


不正な行為 請負契約の締結・履行における詐欺・脅迫・横領等、法律違反行為
不誠実な行為 工事内容・工期等について請負契約に違反する行為


④ 財産的基礎・金銭的信用


建設工事を完遂するための資金力が必要です。一般と特定では基準が大きく異なります。


区分 一般建設業許可(いずれか) 特定建設業許可(すべて)
財産要件

①自己資本額が500万円以上



②500万円以上の資金調達能力がある



③過去5年間許可を受けて継続営業した実績

①欠損の額が自己資本の20%以下



②流動比率が75%以上



③資本金額が2,000万円以上



④自己資本額が4,000万円以上


用語解説
自己資本の額:法人は純資産合計。個人は期首資本金+事業主借等。


資金調達能力:銀行の融資証明書や預金残高証明書(500万円以上)で判定。


流動比率:流動資産 ÷ 流動負債 × 100。短期的な支払い能力。


⑤ 欠格要件


建設業法8条に基づき、以下の項目に該当する場合は許可を取得できません。


内容(主なもの)
1 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
2 許可を取り消されてから5年を経過しない者
3 禁錮以上の刑に処せられ、執行終了から5年を経過しない者
4 建設業法、暴力団排除法等で罰金刑を受け、5年を経過しない者
5 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
14 暴力団員等がその事業活動を支配する者


まとめ

建設業許可取得には、以下の5つの要件をクリアする必要があります。


適正な経営体制:5年以上の経営経験 + 社会保険の適切な加入。


専任技術者:資格、学歴、または10年の実務経験。


誠実性:法律違反や契約違反がないこと。


財産的基礎:一般は500万円、特定は厳格な財務基準。


欠格要件:刑罰や暴力団関係など、法に抵触していないこと。


これらの要件確認は専門的な判断が必要です。特に実務経験の証明書類などは自治体ごとに細かく定められています。不明な点がある場合は、お近くの専門家への相談を検討しましょう。



留意事項

当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。
現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。


法令・制度の解釈については、できる限り正確な情報を心がけていますが、最新の法改正や個別事情には対応していない場合があります。


建設業許可などの手続きは、状況により必要書類や判断が異なるため、実際の申請や相談については、必ず行政書士などの専門家へご確認ください。


本ブログの内容を利用したことによる損害等については責任を負いかねます。あくまで学習目的の参考情報としてご覧ください。