監理技術者は兼務できる?専任特例1号・2号の要件と技士補の配置を徹底解説

監理技術者は兼務できる?専任特例1号・2号の要件と技士補の配置を徹底解説

監理技術者の不足を解消!1級技士補(監理技術者補佐)の専任配置で、大型現場でも2件兼務が可能になる「専任特例2号」を徹底解説。主任技術者とは異なる厳しい専任ルールやICT活用の1号特例、配置計画書の記載項目まで、特定建設業の実務に直結する情報を網羅。

【福島県】 建設業法監理技術者の不足を解消!専任特例2号(技士補配置)で現場を兼務させる特例について解説


監理技術者の兼務ルールを徹底解説!専任特例1号・2号の適用条件とは



建設工事の適正な施工を確保するため、監理技術者には主任技術者よりも厳しい「専任義務」が課せられています。しかし、深刻な技術者不足に対応するため、令和3年の法改正等により、一定の条件(特例)を満たせば監理技術者でも複数現場の兼務が可能となりました。

本記事では、主任技術者とは異なる「監理技術者独自の兼務ルール」について、現場備え付け書類や監理技術者補佐の要件まで詳しく解説します。


【この記事の重要ポイント】

  • 監理技術者は原則、「近接工事の特例(主任技術者向け)」による兼務は認められない

  • 専任特例1号:ICT活用と連絡員の配置により、1億円未満の現場を2件まで兼務可。

  • 専任特例2号:「監理技術者補佐」を専任配置することで、大型現場でも兼務可。

  • 補佐の要件:1級技士補(1級1次検定合格者)などの資格が必要。




主任技術者と監理技術者で異なる「兼務」の取り扱い


まず注意が必要なのは、主任技術者には認められている「近接した場所での2件兼務(密接な関係のある工事)」が、専任の監理技術者には認められていないという点です。

監理技術者は、下請負人を適切に指導・監督するという総合的な役割を担っているため、主任技術者に比べ、より厳しく兼務が制限されています。監理技術者が兼務を行うには、以下に解説する「専任特例」のいずれかを適用する必要があります。

① 専任特例1号:ICT活用による兼務緩和


次のすべての要件を満たす場合には、専任を要する工事現場であっても、監理技術者が他の現場(最大2件まで)を兼務することが可能です。



  1. 請負金額:各建設工事の請負代金が1億円未満(建築一式は2億円未満)であること。

  2. 移動距離:1日の勤務時間内に巡回可能で、事故等の発生時におおむね片道2時間以内で移動できること。

  3. 下請次数:注文者となった下請契約から数えて、下請次数が3以内であること。

  4. 連絡員の配置:監理技術者と連絡を取り必要な措置を講ずるための「連絡員」を各現場に置くこと。

  5. ICTによる確認:施工体制を情報通信技術(ICT)を利用する方法により確認できる措置を講じていること。

  6. 人員配置計画書の備付:以下の事項を記載した計画書を工事現場ごとに備え置くこと。

    • ・業者の名称・所在地、監理技術者の氏名

    • ・1日あたりの労働時間実績および見込み(法定外労働含む)

    • ・各工事の名称、所在地、内容、請負代金、下請次数

    • ・工事現場間の移動距離

    • ・連絡員の氏名、所属会社、実務経験(一式工事の場合は必須)

    • ・施工体制把握のためのICT、現場状況把握のためのICT機器(映像・音声送受信等)


  7. 遠隔確認環境:現場外から状況確認ができる映像・音声送受信可能な機器が設置され、通信環境が確保されていること。

  8. 兼務上限:兼務する建設工事の数は2つを超えないこと。



※本制度(1号)と、次に説明する「監理技術者補佐を置く特例(2号)」を併用することはできません。


② 専任特例2号:監理技術者補佐の配置による兼務


監理技術者補佐を専任で配置することで、監理技術者が複数の現場を兼務できるようになりました。

この特例では、現場に「監理技術者補佐」を専任で置くことで、元請としての職務(現場巡回、主要工程の立会い、重要会議への参加等)が適正に遂行できる範囲内であれば、監理技術者が2つの現場を兼務できます。これには若手技術者(技士補)へのノウハウ伝承という狙いもあります。


監理技術者補佐の配置イメージ図



専任特例1号との違いに注意

ICT等を活用する「1号」と、補佐を置く「2号」は別物です。主任技術者の兼務ルールについては、以下の関連記事をチェックしてください。



③ 一体性が認められる複数工事の「一括扱い」

同一または別々の発注者が締結する複数の契約であっても、以下の要件を満たす場合は全体を「一つの工事」とみなし、同一の監理技術者が掌握できます。


  • 1. 契約工期が重複していること
  • 2. 工作物等に一体性が認められること(同一建築物や連続する工作物)


※すべての発注者から「同一工事として扱うこと」への書面承諾が必須です。また、下請代金合計が5,000万円(一式8,000万円)以上の場合は特定建設業許可が必要となり、合算代金が専任基準を超えれば専任配置義務が生じます。


重要:監理技術者補佐の資格要件

専任特例2号を活用する際、現場に専任で置く「監理技術者補佐」は、次のいずれかの資格を有している必要があります。


  • ① 1級施工管理技士補:1級技術検定の「第一次検定」に合格した者。
  • ② 監理技術者の資格を有する者:監理技術者資格者証を保有する者。


※機械器具設置工事などの技術検定がない業種では、②の資格者である必要があります。


検定種目 監理技術者補佐として認められる工事(略称)
土木施工管理 土・と・石・鋼・舗・しゅ・塗・水・解
建築施工管理 建・大・左・と・石・屋・夕・鋼・筋・板・ガ・塗・防・内・絶・具・解
電気工事施工管理
管工事施工管理
造園施工管理
建設機械施工管理 土・と・舗
通信工事施工管理


まとめ:監理技術者の兼務には「補佐」か「ICT」が必要

監理技術者の兼務は、主任技術者よりも条件が厳しく設定されています。無理な兼務配置は建設業法違反を招くため、以下のステップで検討しましょう。


  • 特例1号の検討:1億円未満の小規模現場なら、ICT活用と連絡員配置で対応。
  • 特例2号の検討:中大規模現場なら、1級技士補等を「専任」で付けて対応。
  • 書類の整備:配置計画書の作成を徹底する。

  • 法令遵守を大前提に、新しい特例制度を賢く活用して、技術者の有効活用と現場の円滑な運営を目指しましょう。




    ※留意事項
    当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や専門家へご確認ください。