営業所の専任技術者は現場に行ける?兼務を可能にする1億円特例と3つの条件

営業所の専任技術者は現場に行ける?兼務を可能にする1億円特例と3つの条件

営業所専任技術者の現場兼務ルールを最新指針に基づき徹底解説。
1億円未満の特例要件に加え、管内・管外で異なるICT活用や下請3次制限など、実務者が陥りやすい「落とし穴」を網羅。
※監理技術者補佐を置く専任特例との違いと、併用不可の注意点も明記しました。

【福島県】 建設業法営業所専任技術者の現場兼務はどこまでOK?1億円未満の特例とICT活用の条件

「営業所の専任技術者は、現場に出せないはずでは?」


技術者不足が深刻化する中、令和5年の改正により、本来営業所に常駐すべき「専任技術者」が現場を兼務できるルールが大幅に緩和されました。


しかし、この特例を利用するには最新のガイドラインに基づく「厳しい要件」をすべて満たす必要があります。ルールを誤ると「不適切配置」として行政処分の対象になるため、指針の正解ルートを正確に解説します。



営業所専任技術者の「現場兼務」3つの区分


2026年現在、専任技術者が現場の主任技術者・監理技術者を兼ねるための要件は、「金額」と「営業所からの距離」によって以下の3パターンに分かれます。


【最重要:特例活用の大前提】

監理技術者補佐を置いて現場を兼務する「専任特例」との併用はできません。また、以下の(1)〜(3)の要件を混ぜて使うことも認められません。


(1)専任が必要な工事(1億円未満)の兼務


請負金額が4,500万円(一式9,000万円)以上の「専任配置」が必要な重い工事でも、以下の条件をすべて満たせば兼務可能です。


区分 要件の詳細(最新指針)
金額・数 請負額 1億円未満(一式2億円未満)/ 現場数は1件まで
距離要件 営業所から現場まで 概ね2時間以内(片道)
施工体制 下請次数が3次を超えていないこと(4次以降は不可)
・現場に連絡員を配置し、人員配置計画を作成・保存すること
ICT措置 CCUS等で作業員の入退場を遠隔確認できること
・Webカメラ等で映像・音声による現場確認ができること


(2)専任不要な工事で「近接している」場合


請負金額が4,500万円(一式9,000万円)未満の工事で、かつ現場が営業所に近いケースです。


【近接の定義】

原則として、営業所が所在する「建設事務所・支所」の管内であることを指します。



  • 金額・現場数: 制限なし(常時連絡がとれる体制が前提)。

  • 距離要件: 当該営業所の管内であること。

  • 特性条件:

    ・所属営業所で契約締結した工事であること。

    ・直接的かつ恒常的な雇用関係(3ヶ月以上)にあること。

    ・営業所との間で常時連絡をとりうる体制にあること。


(3)専任不要な工事で「近接していない」場合


金額は4,500万円未満(一式9,000万円未満)であっても、現場が遠方(管外)にあるケースです。この場合、「金額が小さくても(1)と同等の厳しい管理」が求められます。


現場数 1件までに制限されます。
距離要件 営業所から 概ね2時間以内(片道)であること。
必須条件

・所属営業所で契約した工事であること。

下請次数が3次を超えていないこと。

CCUS等のICT活用による入退場確認と、映像による現場確認。




まとめ:複雑な兼務ルールを整理する


今回の改正で最も注目すべきは、「たとえ4,500万円未満(専任不要)の工事であっても、管外(遠方)へ出すならICT活用や下請制限(3次まで)が必須になった」という点です。


兼務の落とし穴チェック



  • 1. 【管内か?】 建設事務所のエリア(管内)を跨ぐなら、金額に関わらず(1)と同等の管理が必要。

  • 2. 【下請は何次か?】 管外(遠方)の現場で4次下請が入った時点で、この特例は使えない。

  • 3. 【ICTはあるか?】 管外の現場では、CCUS等による入退場確認Webカメラでの映像確認がセットで必須。

  • 4. 【現場数は?】 遠方(管外)や1億円未満の特例を使うなら、兼務できる現場は1件のみが鉄則。


「この現場、今の体制で兼務できる?」という具体的な人員配置のご相談は、専門家に相談する事が重要になってきます。



※留意事項


当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や専門家へご確認ください。