
建築一式工事なら下請けに丸投げOK?附帯工事と無許可営業の境界線とは
建築一式許可や附帯工事の特例を悪用した、500万円以上の専門工事の丸投げ発注は無許可営業になる?
建設業法第26条の2に基づき、適法となる「一体不可分」とアウトになる独立工事の境界線を徹底解説。
建設業法第26条の2に基づき、適法となる「一体不可分」とアウトになる独立工事の境界線を徹底解説。

500万円超の専門工事も下請に流せばセーフ?一式許可・附帯工事に隠された「業法違反」の境界線
📌 500万円以上の附帯工事を施工する絶対ルール
附帯工事が500万円を超えた場合、「自社施工ならその業種の主任技術者(有資格者)を現場に置く」か、「技術者がいないなら、その専門許可を持った下請け業者に流す」のいずれかをとる必要があります。技術者がおらず、下請けの許可業者に流すのであれば、元請けにその許可がなくても適法クリアとなります。
⭕️ 附帯工事として認められるケース(一体不可分)
絶対条件は、「メインとなる許可業種の工事を施工するために、どうしても必要不可欠な工事」であることです。メイン工事の目的を達成するために【一体不可分(切り離せないおまけ)】な工事を指します。
【具体例:メインが「管工事(エアコン入れ替え)」の場合】
配管を通すために壁に穴を開ける「解体工事」や、設備を入れ終わった後に開けた穴の周りの壁紙を元通りに直す「内装仕上工事」。これらはメイン工事を完了させるために「どうしてもやらざるを得ない現状復帰のための工事」なので、500万円を超えても下請許可業者に流せば適法です。
❌ 附帯工事とは認められないケース(可分=独立した工事)
境界線は、「それぞれの工事が『別々の独立した目的』を持っているかどうか」です。メイン工事のついでであっても、別々に分けることができる工事は【可分(独立した別物工事)】とみなされます。
【具体例:実務で一番捕まるパターン】
発注者から「エアコンを入れ替えるついでに、せっかくだから部屋の雰囲気をガラッと変えたい。別室の壁紙も全部張り替えてよ」と頼まれた場合。
これは、「管工事(設備の入れ替え)」と「内装仕上工事(部屋の模様替え)」という、全く別の目的を持った独立した2つの工事(可分)です。
この瞬間、附帯工事の特例は消滅します。いくら立派な内装許可を持った下請けに丸投げしようが、発注者と直接契約を結んだ元請け自身が「内装許可」を持っていなければ、建設業法第3条違反(無許可営業)として一発アウトになります。
⚠️ 一式許可を悪用した「拡大解釈」の罠
工事の受注パターン(500万円以上) |
下請許可業者へ 流した場合 |
法的な判定(理由) |
|---|---|---|
① 総合的な新築・増改築(建築一式) 中の専門工事を流す |
🟢 適法 (セーフ) |
法26条の2第1項により、元請としての総合的な管理体制があればOK。 |
② メイン工事に必要不可欠なおまけ 【一体不可分】な工事を流す |
🟢 適法 (セーフ) |
法26条の2第2項(附帯工事)により、自社に主任技術者がいなければ下請流しでクリア。 |
③ ついでに頼まれた独立した工事 【可分(別目的)】な工事を流す |
❌ 違法 (アウト) |
法3条違反(無許可営業)。一式許可や附帯工事の特例は一切使えません。 |
📋 無許可営業の罰則を回避する2つの自衛視点
一体不可分か |
その500万円超の専門工事は、自社のメイン工事を施工するために「どうしても切り離せない現状復帰や準備の工事(おまけ)」と言い切れるか? |
独立した目的か |
施主からの要望がメイン工事のついでであっても、「部屋の模様替え」など別々の独立した目的(可分)になっていないか?(該当すれば自社にその許可が必須) |
※留意事項
当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や専門家へご確認ください。