建設業許可の許可換え新規|知事・大臣の違いと費用・注意点

建設業許可の許可換え新規|知事・大臣の違いと費用・注意点

建設業許可の「許可換え新規」が必要なケースや費用(15万円/9万円)、手続きの流れを2026年最新基準で解説。知事許可から大臣許可への変更や他県移転時に、許可番号が変わるリスクや審査期間など、事業拡大を考える社長が知っておくべき実務のポイントを凝縮。

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【2026年最新】建設業許可の「許可換え新規」とは?知事・大臣許可の違いと手続きの注意点



隣の県にも支店を出して営業範囲を広げたい
事業拡大に伴い、本店を他県に移転することになった

このように事業が成長し、建設業の拠点を増設・移転する際に必ず必要となるのが許可換え新規(きょかかえしんき)の手続きです。

単なる「変更届」で済むと勘違いしていると、無許可営業のリスクを抱えたり、許可番号が変わって業務に支障が出たりすることがあります。今回は、知事許可・大臣許可の違いから「営業所」の厳格な定義、申請費用、手続きの流れ、そして許可番号が変わる注意点までを徹底解説します!



建設業許可の許可換えとは



建設業許可には、営業所を設置する場所の状況に応じて「都道府県知事許可」と「国土交通大臣許可」の2種類が存在します。この区分が変わる際、許可を取り直す手続きを許可換え新規と呼びます。


💡 知事許可と大臣許可の違い

  • 都道府県知事許可: 1つの都道府県内にのみ営業所を置いて営業する場合

  • 国土交通大臣許可: 2つ以上の都道府県にまたがって営業所を置いて営業する場合





⚠️ 重要:ここで言う「営業所」とは?



単なる作業所や連絡所ではなく、常時、建設工事の請負契約を締結する実態のある事務所を指します。たとえ名称が「出張所」であっても、契約権限があれば営業所に該当し、許可区分に影響します。




営業所の定義を正しく理解する



「営業所」とは、単に看板を掲げている事務所のことではありません。建設業法上では「請負契約の実質的な業務を行っている場所」を指します。

この判断を誤ると、「知事許可でいいと思っていたのに、実は大臣許可が必要だった(=無許可営業)」という大きなリスクに繋がります。

1. 営業所に該当する実務


以下の業務を行っている拠点は、法律上の「営業所」です。

  • 見積書の作成、積算業務を行っている

  • 入札への参加、受注の判断を行っている

  • 請負契約の締結(ハンコを押す、契約の合意をする)を行っている

  • 顧客からの工事相談に対し、実質的な交渉を行っている



2. 営業所に該当しないケース


以下のような場所は、どれだけ立派な建物であっても「営業所」には含まれません。

  • データの出力のみを行う場所: 本店で作成した見積書をPDFで送り、出張所で「印刷(刷り出し)するだけ」であれば、そこは契約の意思決定をしていないため、営業所には該当しません。

  • 資材置き場・駐車場: 重機や資材を置くだけで、事務作業や契約行為を一切しない場所。

  • 現場事務所・プレハブ: 特定の工事期間中だけ設置されるものは、一時的なものとみなされます。




💡 実務上のアドバイス:許可換えが必要な境目


例えば、福島の本店で全ての見積もりを作成し、他県の拠点では印刷して配るだけなら「福島県知事許可」のまま維持できます。

しかし、他県の拠点で独自に積算し、見積書を作って客先に出し始めたら、即座に「国土交通大臣許可」への許可換えが必要です。




許可換えが必要になる3つのケース



建設業法第9条に基づき、以下の3パターンに該当して引き続き建設業を営む場合は、許可換えが必要です。



  1. 知事許可 ➔ 大臣許可へ: 1つの県にしかなかったが、他県にも新たに営業所を設置した場合。

  2. 知事許可(A県) ➔ 知事許可(B県)へ: A県の営業所を廃止し、B県へ完全に本店を移転した場合。

  3. 大臣許可 ➔ 知事許可へ: 複数県にあった営業所を統合・廃止し、1つの県内のみにした場合。





⚠️ 注意!従前の許可はどうなる?



新たに許可を受けたときは、従前の許可は効力を失います。「新規申請」扱いとなるため、許可番号も新しくなる点に注意が必要です。




申請にかかる費用



許可換えは「新規申請」扱いとなるため、更新よりも高い手数料(法定手数料・非課税)がかかります。







申請のパターン

法定手数料(非課税)

知事許可 ➔ 大臣許可に変更

15万円(登録免許税)

大臣許可 ➔ 知事許可に変更

9万円(許可手数料)

知事許可(A県) ➔ 知事許可(B県)

9万円(許可手数料)


※同一許可区分内での「業種追加」や「更新」を同時に行う場合は、別途5万円が必要になる場合があります。



許可換えでも5つの取得要件の再審査があります



「すでに許可を持っているから、場所が変わるだけなら簡単だろう」と思われがちですが、ここが最大の注意点です。

許可換えはあくまで「新規申請」です。現在の許可を取得した時と同様に、建設業許可の基本となる「5つの要件」をすべて満たしているか、改めてゼロから審査されることになります。


📋 許可換えで再度チェックされる重要要件



  • 経営業務の管理責任者(経管)の常勤性

  • 専任技術者の各営業所への配置

  • 請負契約に関する誠実性

  • 財産的基礎(500万円の資金証明)

  • 欠格要件への該当なし




今の自分の要件で、大臣許可(または他県知事許可)が通るのか不安だ」という方は、まずはこちらの基本要件の記事で、現在の状況を再確認してみてください。


特に大臣許可へ換える場合は、「各営業所ごとに常勤の営業所技術者が必要」になるため、人材の配置計画が非常に重要になります。


審査期間と許可番号の落とし穴


実務上、社長様が最も気をつけるべきポイントが2つあります。


① 審査期間(空白期間は発生しないが…)

許可換え申請中も、元の許可は有効です。しかし、新しい許可が下りるまでには時間がかかります。

  • 知事許可: 約1ヶ月〜
  • 大臣許可: 約3ヶ月〜4ヶ月

大規模な入札や契約を控えている場合は、逆算して早めに動く必要があります。


② 許可番号が「完全に新しくなる」

許可換えをすると、それまでの許可番号は引き継がれません。そのため、以下の事務作業が必ず発生することを覚えておきましょう。


  • 建設業の看板(標識)の書き換え
  • 名刺やパンフレットの刷り直し
  • 取引先(元請け)への新しい許可番号の通知


申請に必要な書類と5大要件の立証ポイント


許可換え新規は「新規申請」と同等の厳格な審査が行われます。建設業許可の基本となる「5つの要件」ごとに、提出する申請様式(本冊)と窓口でチェックされる裏付け資料(別冊・確認書類)を正確に揃えることが成功の絶対条件です。


① 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)の常勤性・経験


手引きにおいて最も審査に時間がかかり、不備が出やすい最難関の要件です。


📄 提出・作成する申請書類(本冊)

  • 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第7号)
    (※補佐者を置く場合は「様式第7号の2」を提出)
  • 常勤役員等の略歴書(様式第7号別紙)


🔍 窓口でチェックされる確認書類(別冊)

  • 常勤性の確認(以下のいずれか1点):

    ・健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書の写し(原則として最優先)

    ・住民税特別徴収税額通知書の写し + 直近の領収書

    ※これらが提示できない個人事業主等の場合は、所得税確定申告書(専従者欄や給与欄に記載があるもの)や、住民票 + 賃金台帳・出勤簿 + 源泉徴収票のセットが必要になります。
  • 経営経験の確認(原則5年以上):

    ・法人役員経験:常勤期間分の法人の登記事項証明書(履歴事項全部証明書)または閉鎖役員欄の謄本

    ・個人事業主経験:期間分の確定申告書(収受印またはe-Tax受付印があるもの)の写し
  • 補佐経験(法第7条第1号ロ該当):

    役員等に次ぐ職制上の地位を示す組織図、担当業務を示す業務分掌規程、および意思決定に関与した当時の稟議書・人事発令書等


② 営業所技術者等(専任技術者)の各営業所への配置


大臣許可へ換える場合は「各営業所ごとに常勤の技術者」が必要となるため、人数分の裏付けが必要です。


📄 提出・作成する申請書類(本冊)

  • 営業所技術者等証明書(様式第8号)
  • 営業所技術者等一覧表(様式第1号別紙四)
  • 実務経験証明書(様式第9号)
    ※実務経験10年等で証明する場合。最新手引きに基づき「様式第9号」を使用します。
  • 指導監督的実務経験証明書(様式第10号)
    ※特定建設業を実務経験で受ける場合のみ


🔍 窓口でチェックされる確認書類(別冊)

  • 有資格者の場合: 国家資格の合格証明書・免状(原本提示・写し添付)
  • 学歴短縮を使う場合: 指定学科の卒業証明書(原本)
  • 実務経験(10年等)で証明する場合(ア・イそれぞれ1点ずつ必須):

    ・ア(内容の裏付け):期間分の工事請負契約書、注文書・請書、または確定申告書 + 工事経歴書の写し

    ・イ(在籍・常勤の裏付け):期間分の健康保険被保険者証写し(資格取得年月日が確認できるもの)、厚生年金加入期間証明書等
  • 現在の常勤性確認: 常勤役員等と同様に現在の標準報酬決定通知書の写し等
    ※出向者の場合は別途「出向契約書」等の提示が必要です。


③ 請負契約に関する誠実性


取引相手を裏切らない、反社会的勢力との繋がりがないなどの誠実さを審査します。


📄 提出・作成する申請書類(本冊)

  • 誓約書(様式第6号)


🔍 窓口でチェックされるポイント


誓約書自体は代表者の署名のみ(押印不要)で提出します。特段の別紙確認書類はありませんが、暴力団排除条項等に該当しないこと、請負契約に関して不誠実な行為をするおそれがないことを確定・誓約します。


④ 財産的基礎(500万円の資金証明など)


新規申請の扱いとなるため、現在許可を持っていても改めて資金調達能力が問われます。


📄 提出・作成する申請書類(本冊)

  • 直前決算期の財務諸表(貸借対照表、損益計算書等)


🔍 窓口でチェックされる確認書類(別冊)

  • 一般建設業の場合(以下のいずれか1点):

    ・直前決算において「自己資本(純資産合計)」が500万円以上ある財務諸表

    ・金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書


🚨 福島県特有の注意点:残高証明書取得のタイミング


預金残高証明書の有効期限は「発行後1ヶ月以内」です。福島県は郵送による事前審査を行っているため、一番最初に取得してしまうと本審査中に期限切れ(1ヶ月経過)となってしまいます。事前審査を通過した通知を受けた後に取得しましょう。


  • 特定建設業の場合:

    残高証明書での代替は100%不可。直前決算期の財務諸表で「財務4要件(欠損額が資本金の20%以内、流動比率75%以上、資本金2,000万円以上、自己資本4,000万円以上)」をすべて満たす必要があります。


⑤ 欠格要件への該当なし(公的証明書)


役員等に法律違反の犯罪歴や破産などのライセンス剥奪事由がないかを公的機関の書類で審査します。


📄 提出・作成する申請書類(本冊)

  • 許可申請者の住所、生年月日等に関する調書(様式第12号) ※法人の役員等全員分が必要です。ただし、常勤役員等証明書(様式第7号等)で略歴書を提出する本人は作成不要です。
    ※注意※「株主・相談役・顧問」についても、用紙(様式第12号)自体の作成・提出は必須となります(賞罰の記載や本人の署名は不要です)。
  • 令第3条に規定する使用人の住所、生年月日等に関する調書(様式第13号)
    ※支店長などがいる場合のみ


🔍 窓口でチェックされる確認書類(別冊)

  • 登記されていないことの証明書: 原本(発行後3ヶ月以内・法務局発行)
  • 身分証明書: 原本(発行後3ヶ月以内・本籍地の市区町村役場発行)


💡 添付対象者の重要実務ルール

対象者は、法人の場合「取締役・執行役等(非常勤含む)全員」+「令3条使用人(支店長等)全員」です。

「役員等の一覧表(別紙一)」に記載する株主・相談役・顧問については、登記されていないことの証明書や身分証明書の添付は「不要」となります。


まとめ


拠点や本転の移転に伴う許可換えの要点は以下の通りです。


🎯 まとめとポイント

拠点追加の場合 拠点が県をまたぐなら「大臣許可」へ。
本店移転の場合 本店が他県へ引っ越すなら「他県知事許可」へ。
注意点 許可換えをすると「許可番号」が変わるので、事前の準備が不可欠。






※留意事項

当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や専門家へご確認ください。