【建設業許可の誠実性】欠格要件の範囲と令3条使用人(支店長)の要件を徹底解説
建設業許可を取得・維持するための要件は、「人(経営業務の管理責任者や専任技術者)」や「お金(財政的基礎)」だけではありません。申請者や役員、さらには支店長などが法を遵守し、誠実に契約を履行できる人物であるかという
「誠実性」と「欠格要件」が厳格にチェックされます。
今回は、最新法令(適正化法改正および改正刑法)に基づく欠格要件の具体的な範囲と、支店などを設ける際に配置が必要となる「令3条使用人」の実務上のポイントを徹底解説します!
絶対に許可が受けられない欠格要件の範囲
建設業法第8条に基づき、以下のいずれかに該当する場合、あるいは
申請書類に重要な虚偽の記載がある場合は、他の要件(経管・専技・資金等)をどれだけ完璧に満たしていても許可を受けることはできません。
🚨 建設業法第8条で定められた主な欠格要件一覧(最新法令順応)
- 破産者等(第1号): 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 心身の故障(第10号): 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者
- 不正許可による取消(第5号): 不正な手段で許可を受け、取消処分から5年を経過しない者
- 刑罰による制限(第7号・第8号): 拘禁刑以上の刑、または建設業法・労働基準法・暴力団員不当行為防止法等に違反して罰金以上の刑に処せられ、5年を経過しない者
- 反社会的勢力の排除(第14号): 暴力団員、または暴力団員が事業活動を支配する者
- 虚偽記載・重要事実の欠落(第11号・第12号): 許可申請書や添付書類に、虚偽の記載があるとき、または重要な事実の記載が欠けているとき
要件を証明するための必要書類と提出一覧
欠格要件(法第8条第1号・第10号等)に該当しないこと(誠実性を備えていること)を公的に証明するため、役員や支店長(令3条使用人)全員分について以下の書類を準備・提出します。
書類名 |
証明する内容と発行場所 |
様式第6号 誓約書 |
建設業法第8条の各欠格要件に該当しないことを申請者自らが誓約する重要書類。 |
登記されていないことの証明書 |
成年後見人・保佐人等の登記がないこと(法第8条第10号等の判断材料)の公的証明(全国の法務局本局にて発行)。 |
身分証明書 |
破産者で復権を得ないもの等(法第8条第1号)に該当しないことの公的証明(本籍地の市町村役場にて発行)。 |
建設業法施行令第3条に規定する使用人とは
本社以外の
「支店」や「営業所」を設けて建設業の営業を行う場合、その拠点の代表者として置かなければならないのが「令3条使用人(支店長・営業所長など)」です。
💡 令3条使用人の定義と実務ルール
- 対象: 支店や営業所の代表者で、建設工事の請負契約締結に関する権限を実質的に委任されている者。
- 兼任禁止: 複数の営業所の所長を兼任することは原則として認められません。
- 該当なしのケース: 本社(主たる営業所)のみで営業し、従たる営業所が存在しない場合は配置不要です。
「従たる営業所」として認められる物理的・機能的要件
単なる資材置場、作業所、工事連絡所などは建設業法上の「営業所」とは認められません。以下の実体が必要です。
- 見積り、入札、請負契約の締結を常時行っていること
- 電話、机、パソコン、事務台帳などの物理的な営業設備が整っていること
- その営業所に専属する「専任の技術者(専技)」が常勤していること
令3条使用人の確認資料と調書作成の注意点
支店長等を配置する際は、通常の役員と同様の公的証明書(身分証明書、登記されていないことの証明書等)に加え、
「様式第1号別紙一 役員等の一覧表」への記載が必要となります。また、調書の記載にあたっては以下の点に注意が必要です。
📋 実務で使う主な調書様式の使い分け
- 様式第1号別紙一: 役員等(役員・顧問・株主等)の一覧表
- 様式第12号: 許可申請者の住所、生年月日等に関する調書(役員等の個人調書)
- 様式第13号: 建設業法施行令第3条に規定する使用人の住所、生年月日等に関する調書(支店長等の個人調書)
⚠️ 「様式第13号 調書」の賞罰欄の注意点
支店長等の個人調書(様式第13号)には賞罰を記載する欄があります。建設業法違反はもちろん、交通違反による罰金刑以上の履歴がある場合は正しく記載しなければなりません。
「昔のことだから」「バレないだろう」と不記載にすると、役所の警察照会により「虚偽申告」とみなされ、それ自体が最悪の欠格要件(法第8条)に直撃する恐れがあります。
まとめ:クリーンな体制証明が許可の絶対条件
「誠実性」や「欠格要件」の審査は、過去の履歴に遡って行政側で厳格に行われます。特に支店を出す場合は、令3条使用人に契約権限が適切に委任されているか、営業所としての物理的・機能的実体があるかが厳しく問われます。
🎯 許可取得に向けた3大チェックポイント
- 役員・支店長に過去5年以内の罰金刑以上の懲戒・罰則履歴がないか正直に確認する
- 支店・営業所に電話・固定設備および「専任技術者」が常勤しているか確認する
- 手引きに従い、公的証明書(身分証・登記されていないことの証明)を漏れなく揃える
※留意事項
当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や専門家へご確認ください。