【福島県】建設業法19条・20条の見積りルール徹底解説!見積期間の確保と16事項の記載義務

【福島県】建設業法19条・20条の見積りルール徹底解説!見積期間の確保と16事項の記載義務

建設業法19条・20条の見積りルールを詳しく解説。500万円未満は1日、5,000万円未満は10日以上の「見積期間」の確保や、書面に記載すべき15事項、法定福利費の扱いなど、元請・下請双方が守るべき適正取引のポイントを分かりやすくまとめました。違反時の勧告リスクを避けるための実務ガイドです。

建設業法19条・20条を徹底解説!見積期間と書面記載16事項のルールとは?


【建設業法第20条】元請の「明日までに見積もり出せ」は違法!見積期間・16項目提示・不当な値押しの禁止ルール



「下請だからといって、元請からの無理なスケジュールや曖昧な発注条件を飲んでいませんか?」

「明日までに概算で見積もりを出して」「法定福利費をカットして値引きしろ」といった無茶な要求に悩まされている下請業者は後を絶ちません。しかし、元請が下請に見積もりを依頼する際、建設業法(第19条・第20条・政令第6条)では「具体的にどこまで教えなければならないか」「最低限どれだけの見積期間を与えなければならないか」という明確な基準が定められています。

これらを知っているだけで、不当な値引き交渉や工期の押し付けから自社を守る強力な武器になります。今回は、建設業者が必ず押さえておくべき見積もりの法的ルールとガイダンスを徹底解説します!



契約締結前に書面で明示すべき16の必須事項



建設業法第19条第1項・第2項では、建設工事の請負契約を締結するに際し、注文者(元請)は施工内容に応じて以下の16の条件をできる限り具体的な内容で提示・明示しなければならないと定めています。


📋 建設業法第19条で定められた16の提示事項(書面記載事項)

【工事の基本(いつ・どこで・何を・いくらで)】



  • ① 工事内容

  • 請負代金の額

  • ③ 工期(着手および完成の時期)

  • ④ 工事施工不可の時期・時間帯(休工日・時間帯の指定)

  • ⑤ 検査の時期および引渡し時期



【お金のルール(いつ・どうやって)】



  • ⑥ 前払金または出来形部分に対する支払の時期および方法

  • ⑦ 工事完成後の請負代金の支払時期および方法

  • ⑧ 支払遅延時における遅延利息・違約金等



【変更やトラブルへの備え(もしもの時)】



  • ⑨ 工期変更・代金変更の協議ルール

  • ⑩ 天災その他不可抗力による損害の負担ルール

  • ⑪ 物価変動・インフレに伴う工期や代金の変更ルール

  • ⑫ 第三者への損害賠償の負担ルール

  • ⑬ 注文者が資材・機械を提供する場合のルール

  • ⑭ 契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)の保証期間等

  • ⑮ 紛争解決方法(仲裁・調停等)

  • その他国土交通省令で定める事項




これらの情報が曖昧なまま「とりあえず概算で見積もって」と要求することは、下請業者に適正な見積算定を行わせない違反行為となります。

金額に応じた法定の見積期間と遵守ルール



注文者は、上記の16項目を提示した上で、下請業者が積算作業を行うために必要な「一定の見積期間(建設業法施行令第6条)」を必ず確保しなければなりません。「明日までに見積もりを出せ」といった強要は明確な違反です。






予定価格(工事の規模)

確保すべき最低見積期間(政令第6条)

500万円未満の工事

1日以上

500万円以上 5,000万円未満の工事

10日以上

5,000万円以上の工事

15日以上




🚨 現場で最も勘違いされやすい「特例短縮5日以内」の真実



建設業法施行令第6条但し書きには「やむを得ない事情がある場合、5日以内に限り短縮できる」と規定されています。

しかし、これは「見積期間を『5日間』に縮めて良い」という意味ではありません!


正しくは、「本来の法定見積期間から、最大5日間までマイナス(短縮)しても良い」という意味です。

そのため、特例短縮を使った場合でも、以下の最低期間を絶対に空けなければ違法(指導対象)となります。

・500万〜5,000万円未満の工事(本来10日以上):5日マイナスして「最低5日以上」

・5,000万円以上の工事(本来15日以上):5日マイナスして「最低10日以上」

(※なお、500万円未満の「1日以上」については短縮特例そのものが適用されません)





💡 見積期間の算定における実務上の注意点

  • 休日(土日祝)の扱い: 法定期間の計算には土日・祝日もカウント上含まれます。ただし、ガイドラインでは「建設業者の休日確保に配慮し、実質的に積算作業ができる十分な日数を確保すべき」とされています。

  • 追加・変更工事の場合: 当初の契約金額ではなく、「追加・変更になる工事金額(予定価格)」を基準にして見積期間を確保します。





📌 期間の正しい数え方例(500万円未満のケース)



1月1日に契約内容を提示した場合、「1日以上」の期間を置く必要があるため、提示当日(1日)および丸1日経過(2日)を経た1月3日以降でなければ契約を締結・入札することはできません。




建設業法遵守ガイドラインから見るQ&Aと法定福利費



見積もりを作成・受領する実務で疑問になりやすいポイントについて、国土交通省の「建設業法遵守ガイドライン」に基づく解説をQ&A形式でまとめました。


Q. 見積書に法定福利費を内訳提示する際、「厚生年金基金」分も請求して良いですか?


A. 厚生年金基金は含まれません。

見積書に内訳明示する法定福利費は、事業主負担が法律で義務付けられている「雇用保険・健康保険・厚生年金保険」の3種の社会保険料会社負担分が該当します。上乗せ給付である厚生年金基金は該当しません。





Q. 下請からの見積書に「法定福利費」が計上されていました。発注者(元請)が負担すべきですか?


A. 発注者(元請)が適正に負担すべき費用です。

法定福利費は工事施工に「通常必要と認められる原価」に含まれます。元請・発注者は必要経費として適正に代金に反映させ、負担しなければなりません。カットを強要することは不当な値押しに該当します。





Q. 追加工事の場合、見積期間の金額基準は「追加分のみ」ですか?「当初+追加の合計」ですか?


A. 追加工事「単体の予定価格」で判断します。

追加工事の変更見積もりについては、追加・変更となる部分の金額を予定価格として、政令第6条に基づいた見積期間を確保する必要があります。





💡 法定福利費とは?(基本の整理)


法律によって企業が負担を義務付けられている福利厚生費用のことです。建設業では作業員の怪我や事故リスクが高く、社会保険への加入が許可要件化されているため、見積書での内訳明示が必須となっています。


【事業主が負担する主な法定福利費】

  • 健康保険料 / 介護保険料(40歳〜65歳未満)

  • 厚生年金保険料 / 児童手当拠出金

  • 雇用保険料 / 労災保険料





建設業法第20条が定める見積もりルールと大臣勧告


建設業法第20条では、適正な施工を確保し、下請業者の不当な叩きを防止するために、見積りに関して「見積もる側(業者)」と「依頼する側(注文者)」の双方に以下のルールを定めています。


⚖️ 建設業法第20条の規定内容


【建設業者(見積もる側)が守ること】

  • 内訳の明示(第1項): 材料費、労務費、法定福利費等の不可欠な経費、準備日数などを具体的に記載するよう努める。
  • 適正価格での見積り(第2項): 通常必要とされる費用を「著しく下回る額」で見積もってはならない。
  • 見積書の交付(第4項): 注文者から請求があった時は、契約成立までに内訳を記載した見積書を交付しなければならない。


【注文者(依頼する側・元請)が守ること】

  • 具体的な情報提示と期間確保(第3項): 契約までに具体的内容を提示し、十分な見積期間を設ける。
  • 見積内容の考慮(第4項): 業者が提出した見積書の内容を尊重し、適正な原価として考慮するよう努める。
  • 不当な値押しの禁止(第6項): 通常必要な費用を「著しく下回る」ような金額への変更を業者に強要してはならない。


🚨 違反した場合の罰則(第20条第7項:勧告)


注文者が不当に低い価格へ変更を強要(ダンピング圧力を強行)し、そのまま契約を締結させた場合、適正な施工が阻害されると判断されれば、国土交通大臣や都道府県知事から注文者に対して「行政勧告」および社名公表が行われることがあります。


まとめ:適正な見積りが健全な経営の第一歩


今回解説した通り、建設業法における見積りのルールは単なる事務手続きではなく、「下請業者の適正利益」と「現場の施工安全」を守るための法律です。


🎯 見積もりルールの最重要3大ポイント


16項目の具体提示 元請は請負代金を含む16の重要事項を具体的に提示する義務がある。
法定見積期間の確保 金額に応じた法定期間(1日・10日・15日)を遵守。短縮特例も最大5日引き算まで。
不当な値押しの禁止 通常必要な原価(特に法定福利費など)を著しく下回る変更強要は、行政勧告のリスクを伴う。





※留意事項

当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や専門家へご確認ください。