経営事項審査(経審)とは?公共工事入札に必要なP点算出と有効期限の重要性
福島県内や各市町村が発注する公共工事を直接請け負う(元請となる)ためには、建設業許可に加えて
「経営事項審査(経審)」を受けることが法律で義務付けられています。
経審は、建設業者の「経営規模」「経営状況」「技術力」「社会性」を全国一律の基準で数値化するものです。本記事では、総合評定値(P点)の計算式から、絶対に切らしてはいけない有効期限の管理まで、実務の要点を詳説します。
1. 経営事項審査(経審)の目的と対象工事
経審の目的は、公共工事の発注者が入札参加資格を与えるにあたり、客観的な基準で建設業者を評価することにあります。元請として公共工事に参加する場合、たとえ小規模な工事であってもこの審査が不可欠です。
【審査が必要となる「公共工事」の定義】
国や地方公共団体、特殊法人等が発注する建設工事で、1件の請負代金が以下の金額以上のものが対象です。
- 一般の専門工事: 500万円以上(税込)
- 建築一式工事: 1,500万円以上(税込)
※下請として公共工事に参加する場合は、経審を受ける義務はありません。
2. 総合評定値(P点)の算出方法と評価項目
経審では4つの評価項目から算出される「総合評定値(P点)」が、入札ランク(格付け)の基準となります。
総合評定値(P)= 0.25(X1) + 0.15(X2) + 0.20(Y) + 0.25(Z) + 0.15(W)
項目 |
評価の内容 |
経営規模(X1・X2) |
完成工事高、自己資本額、平均利益額 |
経営状況(Y) |
経営状況分析 |
技術力(Z) |
技術職員数、元請完成工事高 |
社会性等(W) |
建設工事の担い手育成、確保に関する取り組みの状況、 営業継続の状況、防災協定締結の有無、法令順守状況等 |
3. 【重要】有効期限「1年7ヶ月」のデッドライン
経審の結果には有効期限があります。この期限を切らすと、
たとえ入札参加資格を持っていても公共工事の契約を結ぶことができません。
⚠️ 審査基準日(決算日)から1年7ヶ月
有効期限は「結果通知書を受け取ってから」ではなく、「決算日(審査基準日)」から起算されます。毎年決算後、速やかに経審を受け続けなければ、有効期間に「空白」が生じてしまいます。
【有効期限を継続させるサイクル】
毎年、
決算終了後4ヶ月以内を目安に申請を行う必要があります(3月決算なら7月末まで)。また、申請前には必ず「決算変更届(事業年度終了報告)」の提出を済ませておくことが大前提です。
4. 入札参加資格申請(指名願)との関係
「経審を受ければ公共工事ができる」というのは誤解です。入札に参加するには、経審の点数を手土産に、各発注者に対して
「入札参加資格申請」を別途行う必要があります。
![経審と入札参加資格の流れ]()
発注者は、客観的な「P点」と、独自に定める「発注者別評価」を合算し、業者の格付け(Aランク、Bランク等)を決定します。
まとめ:公共工事受注は計画的なスケジュール管理から
経営事項審査は、単なる数値の報告ではなく、公共工事という「公の仕事」を担うための信頼の証です。有効期限の管理ミスは、経営上の大きな機会損失を招きます。
実務のチェックポイント
- 決算変更届: 経審の前に、毎年の報告を適正に完了させているか。
- 1年7ヶ月の壁: 有効期限が切れる前に、次年度の審査を受けているか。
- 加点項目の精査: W(社会性)などで加点できる項目を見落としていないか。
※留意事項
当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や専門家へご確認ください。