
経営事項審査(経審)の落とし穴とは?手続きの2段階ルートや継続雇用要件を徹底解説
公共工事の入札に必要な経審(経営事項審査)の陥りやすい落とし穴。民間の分析機関と行政の2つの窓口を通る手続きルートや、
技術者として数えるための6ヶ月超の雇用要件、虚偽申請の重い罰則を解説。
技術者として数えるための6ヶ月超の雇用要件、虚偽申請の重い罰則を解説。

経審(経営事項審査)の落とし穴とは?間違えやすい4つの重要ルールと罰則
📋 経審を完了させるための2段階ルート
国土交通大臣の登録を受けた民間の「登録経営状況分析機関」へデータや費用を支払い、財務状況の分析結果通知書をあらかじめ取得します。
第1段階で民間機関から届いた通知書と、自社の実績・資格者の証拠書類を1つにまとめ、都道府県(知事許可の場合は福島県などの各建設事務所)の窓口へ本申請を行います。
🚨 雇用実態に関する「6ヶ月超」の絶対ルール
審査基準日(自社の決算日)の段階で、「6ヶ月を超える恒常的な雇用関係」が証明できなければ、有資格者であっても技術職員として1ミリもカウントされません。
そのため、「日雇い」「特定の工事期間だけ」「農閑期だけの短期スタッフ」といった臨時雇いの働き方はすべて除外されます。
審査を希望する業種数のボリューム |
行政へ支払う審査手数料(基準値) |
|---|---|
1業種のみ申請する場合 (例:土木一式工事のみ等) |
合計 11,000円 (経営規模等評価 10,400円 + 総合評定値請求 600円) |
2業種以上申請する場合 (業種を追加していく場合) |
1業種増えるごとに「2,500円」がその都度加算 (加算額:2,300円 + 200円) |
公共工事の入札順位や格付けを少しでも有利にしたいからといって、完成工事高(売上金額)を水増ししたり、実際には雇用していない架空の有資格者を名簿に載せたりする「虚偽申請(ウソ)」は、福島県の手引きでも極めて厳しく警告されています。これは単なる書類不備では済まされません。
❌ 虚偽記載が発覚した場合の恐ろしいペナルティ
虚偽の記載をした書類を提出した場合、建設業法に基づき「6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金」という重い刑事罰に処せられます。さらに、この刑に処せられた瞬間、会社が持っている建設業許可そのものが一発で強制取消となり、その後5年間は二度と許可の再取得ができなくなります。
窓口での書面チェックやデータシステムのエラーチェックだけでなく、少しでも不審な点(社会保険の加入履歴と給与台帳のズレなど)があれば、行政による会社への直接の「立入検査」が実施されます。
経審は、「決算書が仕上がってから慌てて帳尻を合わせよう」としても、過去6ヶ月以上の雇用実績や客観的な財務の数字が審査されるため、その場しのぎのテクニックは一切通用しません。
📋 経審の手続きを適正に進めるための2つの経営視点
| 2つの窓口 | 県庁(建設事務所)へ行く前に、国の登録を受けた民間の状況分析機関での審査(第1段階)を終わらせて結果通知書を手元に用意しているか? |
| 長期的な雇用 | P点に反映させたい有資格者が、決算日の段階で「6ヶ月を超える恒常的な雇用関係(社保加入等)」をクリアできているか? |
「費用と時間をかけて複数の機関を通す、非常に手間のかかる手続き」だからこそ、日頃からのクリアな会社運営そのものが点数として現れます。公共工事への確実な参入を目指すためにも、常に経審のタイムリミットとルールを意識した計画的な経営と雇用を心がけましょう。
※留意事項
当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や専門家へご確認ください。