
単価契約で「無許可営業」にならないための実務知識|500万円の合算ルールと偽装請負の境界線
建設現場で多用される単価契約において、建設業許可が必要な「500万円ルール」を合算で判定する際の落とし穴とは?
人工単価による「偽装請負」の危険性と、正しい契約の実務を解説。

「単価契約だから許可はいらない」その判断、危険です。
あらかじめ数量を確定できない工事で多用される「単価契約」
建設業法上の「500万円ルール」の判定や、労働者派遣法との境界線において、最もトラブルが起きやすい契約形態でもあります。
知らぬ間に「無許可営業」や「偽装請負」の指摘を受けないために。単価契約における請負代金の正しい数え方と、実務で絶対に避けるべき「NGな単価設定」を解説します。
単価契約とは、数量が確定していないものについて単位あたりの価格(単価)だけを定め、支払金額は実際に供給を受けた実績数量に基づいて算出する契約方法です。
対照的な「総価契約」は、単価・数量・最終金額をすべて確定して契約する方式を指します。
建設業法上、単価契約であっても「建設工事の完成を目的」として締結するものであれば、すべて建設工事の請負契約となります。法律上の取り扱いに違いはありません。

建設業許可を必要としない「軽微な建設工事(500万円未満)」に該当するかどうかの判断は、請け負った工事全体の合算金額で行います。
【具体例】単価100万円で1ヶ月間の契約を結んだ場合
・第1週:100万円分施工
・第2週:300万円分施工
・第3週:200万円分施工
⇒ 工事全体の合計:600万円
各週の請求で見れば500万円未満ですが、このケースでは工事全体の請負金額が600万円となるため、建設業許可が必要な工事となります。「1回ごとの精算が500万円未満だから許可は不要」という理屈は通用しないため注意が必要です。
結論から言うと、【単価契約=偽装請負】ではありません。工事の完成を目的としている限りは、適正な請負契約です。
しかし、単価の設定方法が「作業員の人数」になっている場合は極めて危険です。
「偽装請負」と判断されるリスクが高い例:
請負金額を【人数 × 単価 × 時間】で算出している場合。これは「工事の完成」ではなく「労働力の提供」とみなされ、偽装請負となる可能性が非常に高いです。
<単価設定の○と×>
・補修作業 1㎡あたり 5,000円 ⇒ ◯(適正な請負)
・取付作業 1㎡あたり 10,000円 ⇒ ◯(適正な請負)
・作業員提供 1名あたり 15,000円 ⇒ ×(偽装請負のリスク大)
単価契約は便利ですが、以下のポイントを必ず再確認しましょう。
※留意事項
当ブログの記事は、行政書士試験合格者としての学習・研究の一環として作成したものです。現時点では行政書士登録前の立場であり、専門家としての助言や業務提供を目的とした内容ではありません。最新の法改正や個別事情については、必ず行政庁や専門家へご確認ください。